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ものづくりとは何?工業分野の視点から解説
「ものづくり」というと、「何か形のあるものを作り出すこと」と思う人は多いでしょう。
ですが作り出すのは、形のある物体だけでしょうか。
今回は工業分野の観点から見た「ものづくり」について考えていきましょう。
作り上げるのは形のあるものだけではない
建設現場では文字通り建物を造っていて、そこでは多くの人が作業にあたっています。
現場管理を担う人物をはじめ、それぞれの仕事のスペシャリスト集団が作業にあたりますが、その中には仕事を始めて間もない人も含まれます。
ベテランの職人に交じり、技術力や知識が浅い人たちが先輩たちの指導のもと働いているのです。
建物を造るには、職人の技術も大切です。
ベテラン職人と呼ばれる人たちも、もともとは見習いや新人と呼ばれる経験が浅い職人でした。
同じように工事現場に出てゼロの状態から働き始め、技術を磨いてきたのです。
「ものづくり」は、単に形あるものを作り上げることだけではなく、そこに携わる人の技術を磨く意味も含まれています。
「もの」と「モノ」の違い
工業分野では「ものづくり」のことを「モノづくり」と表記することがあります。
単に見た目を変えているだけではなく、わざわざ「モノ」とカタカナに置き換えるのには意味があるのです。
先ほども建設現場では建物だけではなく、そこで働く職人を育てている(技術を磨いている)という話をしました。
さまざまなモノづくりをする工業分野では、同じように商品となる「物体」を作りながら、そのモノづくりを担う人材の育成にあたっています。
それと同時に、職人のアイデアなどを取り入れながら、新しい商品づくりを目指すことがあります。
また同じ商品づくりをする場合でも「より効率的に作るにはどうしたらよいか」「コストを下げるためにできることはないか」など考えながら商品を生み出していきます。
単純に「物体」を作り上げるだけであれば、ラインを自働化しロボットが作業すれば同じものを次々に生み出すことはできます。
ですが、人が創意工夫してモノづくりをすることで、新しいアイデアが生まれたり、新しい商品が作り出せたりするのです。
工業分野では物体を作る、人材を育てる、アイデアを生む、などをひっくるめて「モノづくり」と表記することが多く見られます。
日本はモノづくりが得意
日本はもともとモノづくりに定評がある国です。
ですが近年、周辺の国で作られた部品や商品を輸入し販売することが主流となっています。
そのため、ものづくりが衰退したように感じる人がいるかもしれません。
ですが、中小企業の中にはその会社でなければ作れない商品があり、世界各国から製造を依頼されている会社があります。
自働化されたロボットではどうしても作り上げられないモノや、できない技術を持つ企業は、たくさんあります。
中小規模の会社だからこそ、技術を磨き上げ精度が高い技術を伝承できるのかもしれません。
後進を育て、技術力を伝承しつつ、さらに新しい考えをもってモノづくりに取り組む会社は、日本に数多くあります。
次世代の職人が次世代につながるアイデアを出しながら、「物体」を作る「ものづくり」だけではない「モノづくり」をしているのです。
技術力の平均値を高めることが重要
工業分野の場合、一人の高い技術力を持つ職人がいるだけでは、次世代に生き残っていくことは難しいでしょう。
技術力が高い職人が仕事に携われなくなったときに、その技術は失われてしまうためです。
そのためにも高い技術力を引き継ぐ人材を育てる「モノづくり」が重要になります。
本来であれば即戦力となる人材を欲するはずの中小企業の多くが、あえて若い人材を求めるのには、技術力を引き継ぐ人材を育成する必要性を知っているためです。
突出した高い技術力を持つ人材ではなく、そこで働く全員の技術力を上げていくことで、企業自体の技術力の平均値が高まります。
技術というのは一朝一夕で身につくわけではありません。
人により技術力が身につく速度には違いがありますが、知識に基づいた経験を積むことが必要です。
知識を伝え、経験を積み重ねる機会をより多く与えられる会社こそ、モノづくりに長けた会社といえるでしょう。
まとめ
定められた規格で次々に物体を作っていく作業としての「ものづくり」ではなく、技術を伝えながら新しいアイデアなど取り入れた「モノづくり」を担う会社は、日本にまだまだあります。
その一端を担うことで、工業分野に携わることの誇りを感じられるのではないでしょうか。
当社も、工業分野に携わる会社です。
主に、空調設備工事・衛生設備工事を担っていますが、モノづくりの根幹である技術力が大切な仕事ですので、興味を持っていただけたら嬉しいです。
「モノづくり」に興味がある方は、一緒に働いてみませんか。