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フート弁の仕組みは?設置場所に応じた仕組みの違いも解説!

水関連施設などで、多く用いられているフート弁。
フート弁は、ポンプを運用するにあたって重要な役割を果たしている部品です。
では、フート弁はどのような仕組みをしているのでしょうか。

今回は、フート弁についての基本的な仕組みから設置場所による違いを解説します。

フート弁の仕組みは?設置場所に応じた仕組みの違いも解説!

フート弁の仕組みを教えて!

フート弁は、ポンプにおける吸込み側の配管に設置された弁です。
また、その役割は水の逆流を防ぐ逆止弁の役割を果たしており、多くの水関連施設で使用されています。

本項では、フート弁の基本的な仕組みから用途や設置場所までを解説します。

フート弁の基本的な仕組み

国土交通省では、かんがいポンプ用での弁の分類において、フート弁を自重により操作する弁としています。
構造は、鋳物などで作られた体の中に開閉可能な蓋などが取り付けられ、通常時は流路を封鎖する役割を果たしています。

フート弁の向きは、流体が流れると蓋が開く向きで設置されており、水圧により弁の開閉が可能です。
例えば、吸込み用のポンプが動作すると、フート弁内の蓋が水圧により開き、水が流れます。

一方、吸込み用のポンプをしばらく運転させ、停止させると配管内には水が残ります。
この時、フート弁は先にある水の自重により蓋が閉められるため、水の逆流は起こりません。
このように、フート弁は内部の蓋などにより、一方向しか流れない仕組みとなっていることがわかります。

フート弁の用途と設置場所

フート弁の主な用途は、水の逆流を防ぐ点です。
国土交通省によると300mm以下ほどの横軸ポンプにおける満水用として使用するとされています。
ポンプを適切に動作させるためには、ポンプおよび前後の配管を水で満たして置く必要があります。

理由は、ポンプや配管内に空気の層が出来ていると、空気の圧縮性によりポンプの吸込み力が空気の層より先の水に伝わらず、水を上手く吸い上げられないからです。
上記を解消するためには、呼び水と呼ばれる作業を必要とします。

呼び水とは、ポンプの呼び水口から水を与え、ポンプおよび前後の配管内を水で満たす作業です。
そのため、水関連施設では貯水槽の内部や貯水槽とポンプの間にフート弁を用意し、常にポンプおよび前後の配管の水で満たすことで、ポンプ動作の有無に関わらない運用を行っています。

このように、フート弁はポンプの下流側に設置することで、ポンプ設備における自動での運用に活かしていることがわかります。

フート弁の設置場所に応じた仕組みの違い

前項では、フート弁の構造や仕組みから用途について解説しました。
また、フート弁は設置場所に応じた様々な種類が存在します。

本項では、フート弁の設置場所に応じた仕組みの違いを解説します。

末端(水中)フートバルブ

末端フートバルブは、ポンプの下流側における配管の先端に取り付けられており、多くの場合において水中に位置しているので、水中フートバルブと呼ばれることもあります。
末端フートバルブの構造は、内部の蓋により逆流を防ぐ効果を発揮しており、ポンプによる水圧に応じて蓋を開閉させます。

また、水中のゴミがフート弁内に混入すると、蓋の開閉を阻害する恐れがあるので、先端にフィルターを要しているケースが一般的です。
末端フートバルブは、鋳鉄やポリ塩化ビニルなどの安価な素材で作られており、単品でのコストを抑えられるメリットがあります。

しかしながら、常に水中に設置されているため、腐食が激しい点やメンテナンス時の取り外し作業に多大な労力を要する点が弱点と言えるでしょう。
そのため、次項で紹介する地上設置型のフート弁が用いられるケースも存在します。

地上設置型フートバルブ

地上設置型フート弁は、貯水槽とポンプの間に設置されており、流路に応じて真っすぐな形状やL字の形状の品物を選べる点が特徴として挙げられます。
また、地上設置型は水の流れる方向が横向きのケースに対応すべく、内部にバネを用いて流れを封鎖している点が末端フートバルブとの違いです。

地上設置型フート弁は、地上に設置されているので、メンテナンス時のアクセスがしやすく、工事の規模が小さくて済む点が末端型フートバルブと比べて有利と言えます。

加えて、ポンプとフート弁までの距離も末端フートバルブと比べて短いケースもあり、ポンプおよび前後の配管を満水にするために必要なポンプの運転時間を削減できると予想されます。

しかしながら、末端フートバルブと比べて構造が複雑なため、本体の価格が高くなる傾向にある点が弱点です。
そのため、貯水槽やポンプの位置を考慮し、各施設に適したフート弁を選ぶと良いと言えるでしょう。

フート弁の仕組みは?設置場所に応じた仕組みの違いも解説!まとめ

今回は、フート弁について基本的な構造から設置場所に応じた仕組みの違いを解説しました。
フート弁の役割は、水の逆流を防ぎ、ポンプおよび前後の配管を満水の状態に保つことです。

本記事が、設備に応じた末端型および地上設置型のフート弁の選定に役立てれば幸いです。

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