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ポンプ直送方式とは?給水する方法やさまざまな方式との違いから解説!

日々の生活において、欠かせないインフラの1つである水道。

現在の日本では、ほとんどの場所で蛇口を捻れば水道水が出てくるので、給水する方法に関してあまり深く知らない方も多いと予想されます。
しかしながら、建物への給水はさまざま方法により行われており、日常生活を支えている事実を忘れてはいけません。

そこで、今回は建物への給水方式の1つであるポンプ直送方式を中心に、さまざまな給水方式を解説します。

ポンプ直送方式とは?給水する方法やさまざまな方式との違いから解説!

ポンプ直送方式とは?

ポンプ直送方式とは、水道管から建物の下層に設けられている受水槽を介して、ポンプの圧送力を持って上階へと水を供給する方式です。
では、ポンプ直送方式にはどのような特徴や用途があるのでしょうか。

本項では、ポンプ直送方式で水を供給する方法や用途を解説します。

ポンプ直送方式はどのように水を供給するの?

ポンプ直送方式は、以下の順で建物へと水を供給します。

1.水道管
2.受水槽
3.ポンプ
4.建物

ポンプ直送方式では、まず浄水場から送られて来る水が建物の下層に設けられた受水槽に貯められます。そして、受水槽の上流にあるポンプで水を加圧し、建物の各階へと水を供給していきます。

この方式の特徴は、受水槽に水を貯めることで水道管の持つ水圧や水量から分離でき、水道管の能力の影響を受けにくくなる点です。加えて、建物の配管と水道管が直接的に繋がっていないので、建物から水道管への逆流の恐れもありません。

このように、ポンプ直送方式は水道インフラから水の流れを独立させ、建物に適した供給力を実現できる特徴があると言えるでしょう。

ポンプ直送方式の特徴や用途は?

ポンプ直送方式は、小規模な中層建物に多く採用され、ポンプの台数や回転数の制御により必要な水量を確保しています。

小規模な中層建物は、戸建て住宅程度の大きさで、高さが13mから31mまでの高さの建物が想定されています。高さ31mは、一般的に7階から10階程度の建物となるため、街の多くの建物がこの方式を使っていると言っても過言ではありません。

なお、ポンプ直送方式は受水槽の維持管理のため、定期的に内部の清掃や消毒を必要とする点も特徴の1つとして挙げられます。

ポンプ直送方式はどの給水方式に分類される?

前項では、ポンプ直送方式の概要や特徴から使われている建物の例を解説しました。

一方、建物の給水方式は大きく分けて以下の方式が存在します。

直結式:水道管の水圧を利用して給水
受水槽式:水道管から受水槽を介して給水

本項では、給水方式の分類からポンプ直送方式の立ち位置を解説します。

直結式(直結直圧式/直結増圧式)とは?

直結式は、水道事業者の配管から直接水を供給する方式で、2階建て程度の建築物などに広く採用されています。
また、国土交通省によると受水槽方式と比べて衛生面での影響を受けにくく、省エネルギー化できる点から推進の必要性が謳われています。
直結式における水の供給方法は、以下の2つです。

直結直圧式

直結直圧式は、水道管を流れる水の圧力のみを利用し、上層階に水を供給する方法です。そのため、各地の水道事業者が定める水道管の水圧や給水可能な高さにおける流速や水量などから計算できる範囲で適用されています。

加えて、水圧や水量の過多により耐久性や水道メーターの性能に支障をきたすケースでは、減圧弁や定流量弁の設置が望ましいとされています。

直結増圧式

直結増圧式は、給水管の途中にポンプを設け、増圧することで上層階に水を供給する方法です。この方法では、水道管内の水圧に影響を受けずに水を供給できる点や直圧式よりも高い建物に採用できる特徴があります。

しかしながら、直結式における水の供給は衛生面や省エネルギー化の観点では有利なものの、災害時の備えとしては不十分な点が特徴です。
そのため、次項で述べる受水槽式を採用すべき建物も存在します。

受水槽式(高置水槽式/圧力水槽式/ポンプ直送方式)とは?

受水槽式における水の供給では、受水槽に水を貯める方法なので、一時的に多くの水を使用する際や断水時の水の供給などに役立ちます。

そのため、受水槽式は以下のケースで必要とされています。

・病院などの断水時においても給水が必要なケース
・水圧低下を引き起こしやすいケース
・常に一定の水量および水圧が必要なケース
・逆流により水の汚染を引き起こす可能性があるケース

このように、受水槽を用いる給水は災害時などの特殊なケースにも有利な方法と言えるでしょう。
さて、受水槽式における水の供給方式には、ポンプ直送方式の他に高置水槽式と圧力水槽式があります。

高置水槽式

高置水槽式は、ポンプを用いて高層階に設けられた水槽に水を圧送し、上からの自然流化により各階へと供給する方式です。
また、1台の高置水槽における水の供給力は、高さ10階程度とされており、必要に応じて高置水槽の増設や減圧弁の設置が必要となります。

圧力水槽式

圧力水槽方式は、受水槽に貯めた水をポンプを介して圧力タンクに貯めて、建物に水を供給する方式です。圧力水槽の内部には、窒素ガスなどが充填された風船のような物(ダイヤフラム)があり、ポンプの加圧によりダイヤフラムの圧縮・膨張を繰り返すことで水圧を高めます。

この方式は、ポンプ直送方式と同じく小規模な中層建物に採用されており、停電時にポンプを運転せずに水を供給できる点がメリットです。

ポンプ直送方式

ポンプ直送方式は、受水槽の上流に設けられたポンプを用いて上層階へと水を供給する方式です。また、この方式は圧力水槽方式と比べて、各階での水圧のムラが起こりにくい点が特徴です。

そのため、新しい建物ではポンプ直送方式を採用しているケースが多い傾向があります。

ポンプ直送方式とは?給水する方法やさまざまな方式との違いから解説!まとめ

今回は、ポンプ直送方式に関して特徴・用途から給水方式の分類までを解説しました。
ポンプ直送方式は、災害時の対応と普段の生活における利便性を兼ね備えた給水方式だとわかります。

本記事が、ポンプ直送方式を始めとするさまざまな給水方式を知るきっかけになれば幸いです。

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