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マンションやビルはどうやって水を供給されている?揚水ポンプの仕組みやメリット・デメリットを解説!
「マンションやビルの高層階で水が出るのはなぜ?」そう思ったことはありませんか?
日常ではあまり意識することがないかもしれませんが、これを可能としているのが揚水ポンプなどを使った給水システムです。
本記事では高層階に水を供給する方法や揚水ポンプを使った給水の仕組みについてわかりやすく解説します。
マンションやビルに水を供給する方法
高層階に給水ポンプを使って水を供給する方法は2種類あります。
ここでは給水ポンプの基本的な仕組みと「直結給水方式」と「受水槽式給水方式」について解説します。
給水ポンプの仕組み
高層階水を供給するポンプをひとまとめにして給水ポンプといいます。
今回紹介する揚水ポンプのほかに給水加圧ポンプや直結増圧給水ポンプなどの種類があります。
受水槽がなく水道から直接送り込むタイプが直結増圧給水ポンプ、受水槽だけのタイプが加圧給水ポンプ、受水槽と屋上の高置水槽をセットで設置するタイプを揚水ポンプといいます。
機器の仕組みはとても複雑ですが、大まかに言えば水に水圧をかけて必要な場所に送り込むと考えてよいでしょう。
建物内のどこかで水を使用すれば、水にかかる圧力が弱まります。
圧力が下がるとセンサーが作動してポンプが稼働し、水が供給され再び水に圧力がかけられるのです。
直結給水方式
受水槽がない直結給水方式は一戸建てでよく使用されている給水方式です。
水道管から引き込んだ水に増圧ポンプで圧力をかけて使用する場所に水を供給します。
受水槽や高置水槽が要らないため、建物の外観を美しく保てるというメリットがありますが、断水時には全く機能しなくなります。
受水槽給水方式
受水槽という水をためておく水槽を設置し、一定量水を貯える給水方式です。
基本的に受水槽は1階に設けられ、そこから必要とする場所に水を送ります。
受水槽からポンプで直接使用場所に水を送るのがポンプ直送式で、揚水ポンプを使って一度建物の屋上などに設置された高置水槽に水をくみ上げてから水を送る高置水槽式です。
一般的には高置水槽式が用いられています。
揚水ポンプを使った給水
ここからは揚水ポンプを使った高置水槽式について詳しく解説します。
どんな仕組みになっているのか
受水槽にたまった水を建物の屋上までくみ上げます。
くみ上げられた水は高いところから低いところに移動する重力に従って使用する場所まで流れていきます。
高いところまで水を引き上げてしまえば、あとは重力の作用で自動的に水を送ることができるため経済的です。
揚水ポンプとは
揚水ポンプとは文字通り水をくみ上げるためのポンプです。
屋上タンクの水量が一定以下になると自動的にスイッチが入り、水を受水槽からくみ上げます。
一度くみ上げた水は高低差を利用して使用する場所に運ばれますので、高置水槽から使用場所に送るときは稼働しません。
受水槽とは
受水槽とは、水道管から送られてきた水を一時的にためておく容器のことです。
マンションやビルのように、一戸建てよりも多くの水を使う建物で使用されます。
容量が10㎥以上の受水槽は「簡易専用水道」として扱われ、設置者に以下の義務が課せられます。
・年1回の専門業者による水槽清掃
・月1回の水槽点検
水槽点検時は水槽のひび割れや汚染状況、異物混入の有無について調べます。
受水槽があると災害時にとても便利です。
何らかの理由で断水したとしても受水槽から直接水を得られるからです。
揚水ポンプを使った高置水槽式のメリット・デメリット
揚水ポンプを使った高置水槽式は多くの建物で用いられてきました。
ここからは高置水槽式のメリット・デメリットについて考えます。
メリット
高置水槽式のメリットはエネルギー効率が良いことです。
常に水に圧力をかけるわけではなく、高置水槽内の水量が使用によって減少したときだけ稼働しますので、他の方式と比べて電気代が安く済みます。
それに加え、災害に強いというメリットもあります。
停電が起きるとポンプが使用不能になりますが、高置水槽式の場合は高置水槽の水がなくなるまで水が使えます。
もし、高置水槽の水がなくなっても受水槽の水がありますので断水でも水の供給を受けられます。
デメリット
デメリットはメンテナンスすべき水槽が複数ある点です。
受水槽が必要ない直接給水方式や、受水槽が一つしかないポンプ直送式に比べるとメンテナンスに手間と費用がかかってしまうのです。
揚水ポンプを使用した高置水槽を導入する場合、ランニングコストとメンテナンスコストの両方を天秤にかけ、費用を計算しなければならないのです。
まとめ
今回はマンションやビルの高層階に水を送るための仕組みや揚水ポンプの役割、揚水ポンプを使用した高置水槽式のメリット・デメリットを解説してきました。
揚水ポンプは高置水槽式の要となる機器です。
定期的にメンテナンスし、トラブルが発生しないよう維持管理しなければなりません。
また、揚水ポンプだけではなく受水槽や高置水槽のメンテナンスをしっかり行い、利用者の安全を守らなければならないのです。